映画がもっとわかる 映画批評! しんぼる


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しんぼるを紹介する合成画像です。

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しんぼるってどんな映画?

しんぼるの画像で、しんぼるの説明文です。

事が忙しくて、テレビをあまり見ることができないのですが、最近コマーシャルで映画しんぼるの主人公が出ているCMが流れているようです。映画のキャラクターが、そのまま登場するCMというのは、なかなか珍しいことです。少なくとも東京のいわば業界では、けっこう注目されていたようです。

多くの人から注目されているというのは、それだけですばらしいことです。で、naotomoとしては、当然のことながら映画の内容について注目することになります。naotomoは映画を見るベテランになってしまっているので、たいていの映画は予告編を見れば、大まかな内容がわかります。

ところが、しんぼるでは予告編を見ても、内容についてさっぱりわかりません。予告編を見てわかることと言えば、企画・監督・脚本をしている松本人志が、主人公を演じているというぐらいでしょうか。

で、だんだんと好奇心が沸いてきたので、しんぼるを劇場で見てきました。しんぼるの内容は、とってもシンプルです。松本人志が演じる主人公が、白い部屋に閉じ込められていて、目を覚まします。主人公は、なぜ自分が白い部屋に閉じ込められているのかわからず、助けを求めますが、誰も助けにきてくれません。ちなみに、映画の最後まで、主人公がどんな名前のどんな人間なのか、明らかになることはありません。
い部屋の壁には、男性のシンボル(子供の性器)の形をしたオブジェクトが、無数に付いています。主人公はオブジェクトに興味を持って、シンボルを指で押してみます。すると、子供の奇妙な声が鳴りひびいて、壁から物が出てきます。主人公が興味を抱いて、別のシンボルを押すと、また奇妙な声が鳴りひびいて、壁から別の物が出てきます。壁から出てくる物は、どのシンボルを押したかによって決まっていて、例えば、盆栽とか、にぎり寿司とかが壁から出てきます。

主人公は最初、部屋からの脱出はできないとあきらめて、壁から出てくる物を利用して、退屈をまぎらわせています。しばらくして、主人公があるシンボルを押すと、壁が開いて、脱出するための扉が現れます。ところが、シンボルと扉の位置が離れていて、主人公が扉の前を行こうとすると、扉が消えてしまいます。主人公は、部屋から脱出できるかもしれないと考えて、壁から出てくる物を利用することで、白い部屋から脱出しようとします。

というのが、映画しんぼるの大まかな内容です。しんぼるでは、ここで書いた内容だけでなく、一見すると映画とはまったく関係ないような、メキシコを舞台としたストーリーも描かれています。naotomoも、最初はこのメキシコのストーリーは何なんだ? って思ってました。でも、メキシコのストーリーも、ちゃんと後になって中心の内容とつながってきます。




劇場はがらがら...

日の午後に劇場へ出かけたのですが、驚いたことに観客はほとんどいませんでした。時間帯も良くなかったとは思うのですが、それにしても、ここまで劇場ががらがらとは... しかし、映画を見終わって、naotomoとしては観客が少ないのに納得せざるを得ませんでした。残念ながら、映画しんぼるは、とってもつまらない内容でした。つまらないだけでなく、最後には笑ってしまうというか、なんじゃそれ! と思わずツッコミを入れたくなるような映画の結論でした。

口コミの威力なのか何なのか、よくわかりませんが、世の中の多くの人はしんぼるが残念な内容であることを知っているようです。松本人志が企画・監督・脚本しているということで、笑える映画だと思われるかもしれませんが、少なくともnaotomoは笑えませんでした。笑わせようとしている箇所はいくつもあったのですが、悲しいかな1つも笑えませんでした。

おまけにストーリーらしいストーリーも無いので、観客はストーリーを楽しむのではなく、松本人志が演じる主人公の行動をひたすら追いかけるしかありません。松本人志の狙いとしては、主人公の行動が笑える内容になっていれば、観客の興味を最後まで引っぱることができて、最終的には映画のテーマを理解してくれるはずだと思ったのかもしれません。
naotomoとしては、最初のアイディアとしては、しんぼるは悪くなかったと思います。主人公が白い部屋で目を覚まして、頭を働かせて部屋から脱出する。よくあるアイディアですが、壁から出てくる物を利用して、脱出するというのは悪くありません。しんぼるの根本的な問題点は、第一に、ストーリーが無いことです。主人公が誰なのか、どんな人間なのか、設定らしい設定が1つもありません。

しんぼるはストーリーを描いているのではなく、テーマが重要というか、アイディアを積み重ねていったら、こんな内容になりました、という映画です。映画を好きな人は、優れたテーマやアイディアではなく、優れたストーリーやスペクタクルを見たいと思っています。ですから、いかに優れたテーマやアイディアを見せられても、それがストーリーによって描かれていないと、つまらなく感じてしまいます。

松本人志としてはアイディアが面白かったら、それで充分やんか! と考えたのかもしれません。いかにもお笑い芸人的な発想ですが、映画では通じません。松本人志の発想は、サッカーの試合中にボールを手で投げたり持ったりして、これって斬新で面白いでしょ? って主張しているようなものです。サッカーって足でボールを蹴るところに、スポーツとしてのおもしろさがあるはずです。

しんぼるの公式サイト画像です。




しんぼるで考えた、松本人志の可能性?

しんぼるの公式サイト画像その2です。

んぼるの根本的な問題点は、第二に、まったく笑えないところです。しんぼるでは、松本人志流のギャグやユーモアがいたるところにあるのですが、これが1つも笑えません。naotomo、昔からダウンタウンが大好きでしたし、テレビ番組ごっつええ感じ!も大好きな番組でした。大好きだった松本人志流のお笑いセンスが、どうして、しんぼるでは面白くないのだろうって、不思議に思います。

で、naotomoなりに考えてみました。振り返ってみると、松本人志の番組やコントが笑えたのは、単純に松本人志のセンスが斬新だったから、だけではなかったような気がします。松本人志が考えだすコントや発想を、周りの芸人やタレントたちが必死になって実現しようとしていたところに、面白さの源泉があったのかもしれません。

松本人志が考えだす斬新な発想は、普通に考えるとバカバカしかったり、くだらない内容のものばかりです。普通の人なら実現できない発想でも、お笑い芸人とテレビ局がタッグを組むと、それを実現することができます。一癖も二癖もある芸人やタレントが集まって、松本人志の発想を、実際のコントや番組にしようとすることで、面白さのレベルが一段も二段も上がっているのです。

他の映画の批評でも書いたかもしれませんが、ちょうど8時だョ! 全員集合と同じような面白さの構造です。伝説のテレビ番組8時だョ! 全員集合は、ドリフターズの五人を中心にして、毎週のように生中継で20分ほどのコントを放送していました。内容や設定はありきたりなものでしたが、バカバカしいこと、くだらないことを、とにかく必死になって面白くしようとしたことで、伝説的な視聴率と人気を得ました。

松本人志のセンスや発想は、8時だョ! 全員集合のドリフターズと比べると、ずっと先進的で斬新なものですが、面白さを産み出している構造はほとんど同じのような気がします。
本人志の面白さは、松本人志が考えだしているかもしれませんが、周囲の人たちの必死さによって面白さが加速して、支えられているのです。もしかしたら、松本人志は、自分が産み出している面白さの構造を、自分の発想やセンスのおかげであると勘違いしているのかもしれません。

松本人志が最初に監督した大日本人は、映画としてはたいした内容ではありませんでしたが、笑えるところはけっこうありました。少なくとも大日本人では、映画に必要なストーリーを描こうとしていましたし、松本人志のセンスや発想を実現するために、多くの人が関わって面白さを加速させることができていました。

ところが、しんぼるでは松本人志が一人でドタバタするのが、内容の中心になっています。ほかに登場する人物がほとんどいないので、松本人志の面白さを加速させる人が誰もいません。自分で考えて、自分で演じて、周囲の人たちは納得したり首をかしげたりするだけ、という構造では、松本人志のセンスや発想は活かされません。

松本人志が、これから映画監督として世間から実力を認められるためには、やはりサッカーの試合でサッカーをする必要があります。つまり、ちゃんとストーリーを作って、ストーリーの中で自分のセンスや発想を活かす方法を見つけなければなりません。もう1つは、自分で考えて、自分で演じるのではなく、一癖も二癖もある芸人やタレントや役者を動かして、斬新なセンスや発想を実現させるために必死になってもらう、という面白さを加速させる構造を活かす必要もあります。

単純に、自分の才能やセンスにうぬぼれるのではなく、自分が産み出している面白さを理解して、そこを出発点にしてアイディアや発想を積み重ねて、ストーリーを作ることができれば、映画監督として面白い存在になると思うのですが、皆さんはどのように考えるでしょうか?



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